週間リゾートバイト口コミ・評判、第16回目!
親に黙って応募
いまから22年前の1994年夏、私が若かかりし18歳のとき、当時通っていた短大の同じクラスの友達Rにこう誘われました。
「伊豆急下田の、リゾートバイトに応募してみない?」
リゾートバイト!?
なんとなく想像はできますが、当時の私はバイト経験ゼロ。
「いきなりリゾートでバイトって、ハードルが高いのでは?」と思いつつも、「行ってみたい、やってみたい!」という好奇心もありました。「海も花火も同時に楽しめそう!」という安易な考えも。
Rとは縁があり、短大入学前の説明会で隣の席になり、偶然にもレアな同じシャープペンシルを持っている私とR。親近感を覚え意気投合。「同じクラスになれたらいいね」と話していたら、本当に同じクラスになったのです。
そんな縁あるRからの誘いですから、興味津々の私。
ですが、うちの親はそういうのを許してくれなそう・・・。
私は8歳まで一人っ子として育ったせいか、親に過保護なところがあったからです。
そこで、親の了承も得ず、勝手にリゾートバイトへ応募。
もう1人の友達Kと、3人の履歴書をひとつの大きな封筒に入れ、「1人でも不採用者がいましたら、3人とも不採用でお願いします」と伝えて。結果は――
親への告白
希望通り、3人採用となりました!
さっそく3人そろって都内の派遣事務所に行くと、「仕事中に着るように」と、指示されたスカイブルーの胸元にロゴ(派遣会社名)が入ったTシャツを手渡されました。そこで仕事の簡単な説明をされ、リゾートバイトに行くことに。バイト期間は2週間、休みはそのうちの2日間です。
さあ、問題は親。
うちでは相談事は父でなく母にしていたため、「母にいつ言い出そうか・・・」と、タイミングを何度も逃しつつ、ある日一緒に行った眼科の待合室で意を決して、こう告げました。
「伊豆急下田のリゾートバイトに、RとKと3人で応募したら合格したんだ。だから行きたいんだけど・・・」
すると、母の顔はあきらかに曇り、反対の言葉を口に。ですが、最終的には「社会勉強だと思って頑張って」と、しぶしぶながらも許してくれました。
なぜ眼科の待合室で意を決したのか?その眼科はいつも混んでいて人がいっぱいだったため、2人きりよりいいと思ったからです。単純な考え(笑)
こうして私は、人生はじめてのバイト、伊豆急下田にある某高級リゾートホテルの清掃業務をすることになったのです。
伊豆急下田でリゾートバイト、スタート!
私たち3人は「伊豆の踊り子号」に乗り、いざ伊豆急下田へ。
時間ギリギリで乗ったのでお弁当を買う時間がなく、途中たった数十秒の停車駅で、私たち3人はダッシュでホームに飛び降り。売店で明らかに売れ残りのお弁当を次々と買い、急いで車内に戻りました。
私たちが買ったのは「サバの押寿司弁当」。私は光り物が苦手です。でも、このお弁当しかなかったのです。仕方なしに食べましたが、やっぱり無理で半分以上を残したという、苦い思い出となりました・・・。
こうして幸先悪いスタートでしたが、無事に伊豆急下田駅に到着。
駅にマイクロバスが迎えにきていて、2週間お世話になる寮へ。
私たちは1階の角の6人部屋で、すでに1人、年上のこんがり肌が焼けたお姉さん・Sさんが入居していました。ご挨拶すると、いい人そう。一安心して、4人での生活がスタートしたのです。
お風呂は共同で、古めかしい感じでしたが、嫌いな虫がいなかったことが幸いでした。
なお、ごはんの味やメニューなどはまったく覚えていません。和食中心だったと思います。
仕事内容
翌朝からマイクロバスで、仕事場となる高級リゾートホテルへ。
朝9時にミーティングが始まり、その日のパートナーとなる相手が発表されます。
もちろんバイト同士が組むことはなく、必ずベテランのパートのおばさん+バイトという組み合わせ。
朝10時から午後3時まで、数十の部屋を次々と担当します。
やることは、湯飲みやコップ洗い・ゴミ捨て・掃除機がけ・トイレやお風呂の掃除・ベッドメイキング。
この仕事で、いまでも不信感を持つことがあります。
なんと、湯呑みやコップは食器用洗剤はおろか、スポンジも使うことはなく、べっとりついた口紅も手の指を使って部屋の洗面所でゴシゴシ洗い、乾拭きしたあとは「消毒済み」と書かれたビニールをかぶせるのです!
※22年も前のため、きっと不正や偽造にうるさいこのご時世ではそんなことはないと思いますが・・・。
「ぜんぜん消毒してないし!高級なホテルなのに・・・。ホテルのコップはもう使えない・・・」と、当時は心の中で思い、不信感と罪悪感を持ちながら、おばさんの指示どおりにやっていました。
あとは、部屋にいるのに掃除をたのむ人は、必ずといっていいほどチップをくれました。
「2人でおいしいものを食べてください」
そう言って、おばさんにチップを渡すのです。5千円札が多かったです。
仕事の中でいちばん楽しかったのは、ベッドメイキング。おばさんとリズムを合わせ、手際のよく糊のはったシーツやふとんカバーをかけるベッドメイキングは意外と楽しく、きれいにメイキングされたベッドを見ると爽快!
仕事はたいへんですが、楽しくこなしていたのです。
新しい出会い・恋の予感!?「だいちゅきですよ~!」
数日後、同じ部屋に1人・Iさん(女性)、そのまた数日後に2人・Aさん(女性)とCさん(女性)が入居してきました。そして、別の部屋には何人か男子が入居してきて、そのうちの2人、Tくん(男性)とMくん(男性)が、夜になると私たちの部屋に遊びにくるようになりました。
私は、Mくんのことが気になり始めました。彼は年齢を1歳ごまかし、本当は17歳なのに18歳の社会人として採用されていました。本当は高校3年生。
Mくんは尾崎豊好きで、タバコで停学になったこともあると話していましたが、見た目はそんなに悪そうではない。見た目は、いまでいう“チョイ悪”。
学生時代はいわゆる、不良っぽい人がモテる傾向にありますが、私もそんな彼に惹かれてしまったのです。
Mくんと一緒に私たちの部屋に遊びに来ていたTくんは、私たちの部屋に1人で入居してきたIさんと恋仲に。2人で「海を見に行く」と言ってはたびたび出かけるので、一度だけみんなで尾行して、その様子を見に行ったら驚愕!
海辺のベンチで、Iさんの膝枕でTくんが赤ちゃん言葉で、
T「だいちゅきでちゅよ~!」
と甘えていて、みんなで笑えをこらえながらそっと部屋に帰り、部屋で大爆笑。
IさんよりTくんのほうが少し年上の20代前半で、Tくんは普段しっかり者で真面目タイプ。なので、ギャップが面白くて仕方なかったのです。
その日以降、Tくんを見るたびに笑いをこらえるのに必死でした。
ロケット花火事件
ある日の夕方、仕事が終わった後に、友達のRとKと海に行ったら、いかにもコワモテの人たちのグループにナンパされたのですが、怖いので断りました。
その後、違うグループにナンパされ、こちらはギラギラした感じがなくいい人そうに見えたので、一緒に海で花火をすることにしました。
こうして私たちは楽しく花火をしていたのですが・・・最初にナンパしてきた、コワモテグループの再登場。
「オラ、ロケット花火こっちに飛ばすなよ。危ねぇだろ!調子に乗るんじゃねえ!!」
と、イチャモンをつけてきて(たしかにそちら方面には飛びましたが、実際には花火とコワモテグループとの距離はかなりありました)、男の子たちが殴られてしまったのです!!
きっと、私たちが彼らのナンパを断り、違うグループのナンパに乗ったのが気に入らなかったのでしょう。でも、女の私たちには当たれないので、男の子たちに被害が・・・。
完全なる逆恨み。殴られてしまった男の子たちは「ぜんぜん大丈夫!」と言っていましたが、とても申し訳ない気持ちになりました・・・。
初めて自分で稼いだお給料
気になる彼、Mくんが来てから、私はさらに仕事に対するモチベーションがあがり、毎日お客様のお部屋の掃除にルンルンと励みました。
こうして、私たち3人のリゾートバイトも終わりの日に。
最後の日、茶色の封筒に入ったお給料は、14日間で12日分働き、10万円!
人生で、初めて手にするバイト代。当時の私にとって10万円は大金で、お札を上に「ポーンッ」と投げてヒラヒラさせる、よくドラマで見るようなシーンをたった10枚で再現しました(笑)
こうしてみんなとお決まりのアドレス帳で情報交換(今で言う、LINE)して、寮を去ったのです。
Mくんと私の恋
最初にリゾートバイトをもちかけた友達Rは、「彼氏が待っている」と、すぐに地元に戻りました。彼氏ナシの私と友達のKは、伊豆急下田の民宿で1泊することに。
私が恋に落ちたMくんは、まだバイト期間があったので寮に住んでいたのですが、私に興味を持ってくれたようで、民宿に遊びにきてくれることになったのです!
夜は3人で酒盛りをして、ゲームをしました。
どんなゲームかは忘れましたが、たしか王様ゲーム的なもので、Mくんが勝ったときに友達Kに
「押し入れに10分間入ること。ちゃんとふすまを閉めてね」
と命じ、Kが押し入れに入ったことを確認すると、仰向けに寝転がっていた私の上にMくんが乗ってきたのです。
ただ、ずっと乗ってくっついているだけで、何もせず終わりました。顔はずっと近かったです・・・。どんな心理だったのか、いまだによくわかりません(笑)
こうして翌日に、友達Kも地元に帰りました。
気になるMくんはあと2日でバイト終了。私とMくんは、一緒に帰る約束をしました。つまり、私はあと2日、残ることになったのです。
行方不明になった娘(私)!
このとき私は恋に夢中になり、親に電話も入れず、勝手に民宿連泊を決めたのです。
なぜ一本、電話を入れなかったのか…
きっと心の中で、「これ以上帰宅を伸ばすことは許してくれないだろう。」と、わかっていたからです。
いま思えば、連絡しないなんてバカだなぁと、自分自身に呆れますが。
娘から連絡もなく約束の日に帰ってこないので、とても両親は心配し、友達のRとKの家に母が電話をかけて「うちの娘を知りませんか?」と聞いたそうです。
まさか「男と一緒ですよ」と言えない2人は「わからないです。」と、嘘をついてくれたことをあとで知りました。
母はこう言っていたと、
「あの子、男の人に免疫ないからついて行っちゃったのかも・・・」
だいたい、当たってます(笑)
Mくんとのファーストキス
こうしてMくんのバイトが最終日。
仕事後の誰もいないMくんの寮の部屋で「この曲、いいよ」と、氷室京介の『KISS ME』をMくんがウォークマンで聞かせてきて、イヤホンを片方ずつ、つけました。そしてなぜか、その曲を何度もリピート。
いま思えば、私からのキスを求めていたのでしょうが、当時の私は恋愛経験がなかったので、その意図をわかりませんでした。
らちがあかないと思ったのでしょう、Mくんからキス。
恥ずかしながら、私にとってこれが初キス。いわゆる“深いキス”を知らなかった私は、Mくんにされるがままに。まさにマグロ状態(笑)
「キスって、レ、レモンの味じゃないの?」と夢見る私は心の中で「なんだこりゃ?」と。
いま思えば、キスの様子で「この子、経験ないな!」と見透かされたのでしょう。それ以上はありませんでした。完全、受け身(マグロ)でしたし、しかも寮ですし!
こうして私は、Mくんと一緒に帰りました。
Mくんは神奈川県在住なので、途中下車。私は埼玉県在住なので、電車を乗り継ぎ帰りました。
とつぜん帰ってきた娘を見た親に何と言われたのか、ほぼ覚えていません。ですが、
「警察に捜索願を出すか考えていた」と、言われたことは覚えています。
帰宅後、私は抜け殻のようになって自分の部屋でグーグー爆睡。
リゾートバイトが終わった後
実はMくんは、好きな女の子とその友達と、複数でリゾートバイトに応募していたのですが、Mくんだけが落選。その後、Mくんは私たちが応募した派遣会社に履歴書を送り、採用されたのです。
働く場所は違えど、好きな女の子とその友達と同じ伊豆急下田にいれば、一緒に遊べると考えていたそう。
そのことは当初から聞かされていました。でも、いざ仕事が始まると、お互いに忙しくて、寮の場所も遠く生活リズムも微妙に違い、Mくんは友達たちと会うことは不可能に。
そんななか、Mくんは私たちと仲良くなり、本音か否か「彼女たちのことは、もうどうでもいいや。Eがいるし(Eは私です)」と、口にするようになりました。
でも、それもつかの間。
いつもの生活に戻れば、Mくんはその彼女と同じ高校で、毎日顔を合わせます。
私といえば、神奈川と埼玉、微妙な遠さ。そんな私にできることといえば、電話くらい。
最初のうちは、「いま考えれば何を話していたんだろう?」と思うくらいの、8時間超えという長電話を何度かしていました。
ですが、やがてMくんとは疎遠に。
ちなみに、恋仲になったIさんとTくんは、バイト終了後まもなくして、別れたそう。
こうして私の恋も、Iさんの恋も終わりました。
参考:【1000人に聞いた】リゾートバイトに出会い・恋愛は期待してOK?
まとめ
リゾートバイトをやってみて、わかったこと。それは、働いてお金をもらうという意味の深さ。ありがたさ。
楽しかったことは、いろいろな人と友達になれて、恋もできて、たくさん遊べたこと。
辛かったことは、仕事の忙しさ、恋が終わったこと。
後悔したことは、親に連絡を入れず心配させたこと・・・。
10万円のお給料はあっという間に使ってしまいましたが、初めて自分で稼いだお給料は、いまでも忘れられません。あと、あの頃の恋の難しさも。
そのあと数々の恋愛をしてきていい年齢になってきたいまの私なら、「掌の上で転がすのに」と思いますが(笑)
ときすでに遅し、もとい、遅すぎです(笑)
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以上、ノンフィクションの実録簿です。
いまは結婚しているので、リゾートバイトはもうできません。体験談を書いていたら、「またやってみたいな」と思いました。
海があって、恋もできて、お金も稼げる。
リゾートバイトでは、普通のバイトでは経験のできない貴重な時間を過ごすことができます。
条件の良いレア求人を手に入れる方法
リゾートバイトで条件の良い求人をもらう方法は、「派遣会社の担当さんに自分の希望を伝える」以上!
8年の経験から身をもって実感しました・・・。
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参考ページ:【最新おすすめ】リゾートバイトの口コミ・評判13社徹底比較←絶対得させる自信あるから、このページは見ないと損!!